ROSCH KENNEL がゲームになった — バーチャル犬舎見学 ROSCH Craft の話
犬を飼えない人の方が、実は多い

ROSCH KENNELのウェブサイトには、毎日約1,500人が訪れてくれる。子犬情報を見に来る人、親犬のプロフィールを眺める人、遺伝子検査の記事を読む人。
ただ、正直なところ——その多くは「今すぐ犬を飼える人」ではない。
住環境の問題、仕事の都合、家族の事情。犬が好きで、ボーダーコリーに惹かれて、でも今は飼えない。そういう人がサイトの訪問者の大半を占めている。これは私たちのサイトに限った話ではなく、犬を好きな人の中で実際に飼える人は一握りだという、ごく当たり前の現実だ。
私たちはずっと「犬を飼う人」に向けた情報発信をしてきた。それは繁殖者として当然のことだが、同時に「犬が好きだけど飼えない人」に対して、何も提供できていなかったとも言える。
本物の犬を飼うことだけが、すべてではない
ROSCH KENNELが掲げているのは「アウトドア・ドッグライフの提案」だ。犬と一緒に自然の中で過ごす豊かな時間を提案するというコンセプトは、実は犬を飼っているかどうかに限定される必要はない。
犬と走る。フリスビーを投げる。ただ一緒に過ごす。その体験の本質的な楽しさは、それがリアルであってもバーチャルであっても変わらないのではないか。
この問いが、ROSCH Craft の出発点になった。
ROSCH Craft とは何か

ROSCH Craft は、霧島にある ROSCH KENNEL の犬舎をバーチャルで再現したオンラインゲームだ。
ブラウザからアクセスするだけで、ドット絵(ボクセル)で描かれた犬舎を自由に歩き回れる。桜の木が並ぶ敷地、犬たちが駆け回る庭。霧島の犬舎の雰囲気を、ゲームの中に落とし込んだ。ゲーム内にはログハウスのケネル棟も登場するが、これは現在計画中の将来の犬舎の姿を先行して再現したものだ。
できること
- 犬舎を歩く — 霧島の犬舎をバーチャルで散策できる。建物の配置や敷地の雰囲気は実際の犬舎をベースにしている。
- 犬たちと遊ぶ — フリスビーを投げたり、一緒に走ったりできる。犬たちの動きはボーダーコリーらしい俊敏さを再現した。
- 犬があなたを覚える — ゲーム内の犬たちはプレイヤーのことを記憶する。遊べば遊ぶほど、犬たちはあなたになつく。これは単なるエンターテインメントの演出ではなく、「犬との関係は時間をかけて築くもの」という私たちの考え方の反映だ。
- 自由にクラフト — 犬舎の向かいにある公園エリアでは、好きなものを自由にクラフトして遊べる。
実在の犬たちとのリンク
ゲームに登場する犬たちは、架空のキャラクターではない。ROSCH KENNELの実際の親犬たちがモデルになっている。ウェブサイトでプロフィールを見ている犬が、ゲームの中でフリスビーを追いかけている。その繋がりが、このゲームの核にある。
なぜ「ゲーム」だったのか
バーチャル体験を提供する方法はいくつもある。360度写真、VRツアー、ライブカメラ。なぜわざわざゲームにしたのか。
理由はシンプルで、「見る」と「遊ぶ」は全く違う体験だからだ。
360度写真は犬舎を見せることはできるが、犬と遊ぶことはできない。ライブカメラはリアルタイムの映像を映すが、犬に触れることはできない。ゲームという形式だからこそ、犬とインタラクトして、関係を築いて、時間を共に過ごすことができる。
そしてもう一つ。マイクラ風のボクセルアートという見た目を選んだのは、「リアルさ」を追求するよりも「楽しさ」を優先したかったから。フォトリアルなグラフィックで犬舎を再現しても、実物には絶対に勝てない。それなら振り切って、見た瞬間に「楽しそう」と思えるビジュアルの方がいい。
現在はベータ版
ROSCH Craft は現在ベータ版として公開している。犬舎の散策と犬たちとの基本的な遊びはすでに体験できるが、今後も機能を追加していく予定だ。
具体的には:
- 季節の変化(霧島の四季を反映)
- 犬たちの行動パターンの拡充
- 子犬情報とのリアルタイム連携
- コミュニティ機能
新しい機能の追加は随時お知らせしていく。
犬と過ごす、もう一つの場所
ROSCH Craft は「犬を飼えない人のための代替品」ではない。犬と過ごす時間の楽しさを、もっと多くの人に届けたいという、私たちなりのドッグライフの提案だ。
リアルの犬舎見学は完全予約制で今まで通り受け付けている。ROSCH Craft は、それに加わるもう一つの選択肢。気軽に、いつでも、どこからでも。